台風で破損した棟板金(大棟・隅棟)の修理

施工の概要

三重県松阪市宝塚町の築25年のご自宅で発生した、台風による大棟(おおむね)と隅棟(すみむね)の棟板金破損修理事例です。破損した棟板金を調査したところ、過去の施工でビス止めと釘打ちが混在しており、釘打ち箇所が弱点となり風の被害を招いたと考えられました。下地材ごと新しいものに交換し、すべてビス止めで固定することで、強風に強い屋根へと改修しました。

施工前と施工後の様子

台風により破損した棟板金の状態と、ビス止めによる強化修繕の様子をご紹介します。

台風の被害で破損した棟板金。釘とビスが混在
【施工前】破損した大棟と隅棟

台風の被害で破損した大棟と隅棟です。過去の施工で、下地材にビス止めと釘打ちが混ざっていました。釘打ち箇所は時間の経過とともに緩みやすく、そこが強風に対する**弱点**となり、破損を招いたと考えられます。

古い下地材を慎重に剥がす作業
古い下地材の撤去

破損した古い下地材をきれいに剥がします。屋根材の**カラーベスト(スレート瓦)**を割らないよう、ビス止め部分はインパクトドライバーなどを使用し、慎重に作業を進めました。

風が入る隙間をなくすように施工された新しい下地材
新しい下地材をビス止めで施工

新しい下地材を施工します。風が棟の中に入り込みにくいよう、棟板金の大きさに合わせて隙間ができないように、**すべてビス止め**でしっかりと固定しました。

大棟と隅棟の重なる部分にコーキングで防水加工を施した修理完了写真
【施工後】ビス止めとコーキングで強化完了

新しい棟板金をビス止めし、大棟と隅棟の接続部分には**コーキングで防水加工**を施して修理完了です。これで棟板金がめくれ上がる心配は大幅に軽減されました。

お客様の声

台風で屋根が傷んでいたのは知っていたのですが、なかなか工務店を探すことができず、ずるずると修理が長引いてしまいました。今回、伊勢営繕工務店さんという良い工務店に巡り会えて感謝しております。これでもう安心です。

よくあるご質問(Q&A)

Q. 棟板金修理の際、釘止めとビス止めのどちらが良いですか?
A. 現在の屋根修理では、ビス止め(スクリュー釘)が推奨されています。従来の釘止めは、屋根の熱伸縮などで釘が浮き上がりやすく(釘浮き)、それが強風による棟板金の剥がれや飛散の原因となります。ビス止めは螺旋状に木材に食い込むため、釘浮きや強風への抵抗力が大幅に強化されます。
Q. 棟板金が一部剥がれただけでも、火災保険の対象になりますか?
A. はい、台風や突風、ひょうなどの自然災害による破損は、火災保険の「風災補償」の対象となる可能性が高いです。一部の剥がれや浮きであっても対象となりますので、ご加入の保険会社にご確認ください。保険申請に必要な被害状況の調査報告書作成は、弊社でサポート可能です。
Q. 棟板金の寿命はどのくらいですか?
A. 棟板金自体の寿命は15年〜25年程度ですが、その寿命よりも早く、固定している釘の浮きや、下地材(貫板)の腐食が問題になることが多いです。釘浮きが始まると、そこから雨水が侵入し、下地材が腐食して強風に対する抵抗力が失われてしまいます。定期的な点検が重要です。

担当者より

N様、いつも伊勢営繕工務店をご利用いただき、誠にありがとうございます。棟板金は台風の際に最も被害を受けやすい箇所の一つです。今回は風で棟が飛んでしまい、近隣に被害が出ることがなくて本当によかったです。今後はビス止めでしっかりと固定されていますので、ご安心ください。建物のメンテナンスはぜひ弊社にお任せください。